YouTube動画をみていると、さまざまな音楽が使用されています。
この時、好きなアーティストの楽曲などを使ってしまうと、著作権違反になるのはもちろん、フリーの音源でもトラブルになるケースがあります。
著作権を侵害してしまった場合、せっかく時間をかけて編集した動画が削除されてしまったり、最悪の場合は収益化やアカウント停止されてしまったり、という恐れがあります。
YouTubeや著作者から指摘を受けないためにも、正しい音楽の使い方を覚えておきましょう。
そもそも著作権とは
著作権は、作品を創作した人が持つ権利です。
音楽だけでなく、書籍や歌詞、美術作品、建築物、映画、写真などにも著作権があります。
世に知れ渡っている音楽が、使って良い音源かどうかは、日本音楽著作権協会(JASRAC)のサイトで確認できます。
(公式ページ:日本音楽著作権協会(JASRAC))
とはいえ、個人が発表した音楽の場合、死後70年まで著作権が残るため、現在活動しているアーティスト、存命アーティストの作品は、ほぼ使用できません。
逆にクラシック音楽は、ほとんどが著作権をもたないため、安心して使用しやすい音源です。
中には、著作者自身が著作権を放棄している楽曲もあります。
一例ですが、ヴィジュアル系エアーバンド、ゴールデンボンバーの楽曲は、個人が制作する収益化していない映像の場合に限り、動画配信サイト、ライブ配信サイトで自由に利用可能です。
(参考サイト:ゴールデンボンバーオフィシャルサイト/SNS・ライブ配信アプリでのゴールデンボンバーの楽曲の利用について)
その他にも、動画配信者向けに配布されている無料音源、有料音源がたくさんあります。
動画削除を避けるためにも、著作権フリーの音源から好みの音楽を探し、使用しましょう。
YouTube動画配信で適用される著作権と注意点
YouTubeでは、以下の作品に著作権があるとされています。
- 音声と映像の作品(テレビ番組、映画、オンライン動画など)
- サウンド レコーディングおよび楽曲
- 執筆された作品(講義集、記事、書籍、楽譜など)
- 視覚的作品(絵画、ポスター、広告など)
- ビデオゲーム、コンピュータ ソフトウェア
- 演劇作品(劇、ミュージカルなど)
(引用:YouTubeヘルプ/著作権とは)
動画に音楽を使いたい場合は、著作権フリーの音源を使う。
もしくは、著作者に許可を得てから、使用するようにしましょう。
著作権フリーの作品を使用する場合も、いくつかの注意点があります。
トラブルを未然に防ぐために、5つの注意点を覚えておきましょう。
注意点1:使用の条件をかならず満たす
著作権フリーで使用できる音源であっても、使用にあたっての条件が定められているケースがあります。
- どこが作成したフリー音源なのかを記載する
- 収益化を目指している場合は、商用利用可の音源を利用する
- クレジットに表記の決まりがある場合は、ルールにかならず従う
といった条件が付けられているフリー音源を使用する場合は、間違いがないように、しっかりチェックを済ませましょう。
中には使用期限のあるフリー音源もあります。
音源のために、動画を再編集するのは手間になるため、期限が定められていない音楽を使うのがおすすめです。
注意点2:人が使っている音源を転用しない
YouTubeを視聴していると、良く知っている音楽を使用している配信者もいます。
「他のYouTuberが使用しているから自分も……」
と、使いたくなりますが、そのほとんどが著作者から正式に許可を得ています。 誰かが使っている場合も、公式サイトやJASRACなどで、著作権の有無をかならず確認しましょう。
注意点3:自分が持っている音源を使用しない
自分が好きで購入したCD、ダウンロードした音源など、お金を払って手に入れた音楽を、YouTubeに使用してしまう例が少なくありません。
ですが、購入した作品であっても、著作権は権利が消滅するまで、著作者のものです。
著作者を明記してもNGですので、注意しましょう。
注意点4:著作権侵害の意図がないと書いても×
「この音源の著作者は○○です」
「○○の著作権を侵害するものではありません」
といったフレーズを、時々目にします。
一見断りを入れているようですが、著作者にとっては、勝手に音源を使用されている事実に変わりありません。
当然、動画削除の対象になるので、気をつけましょう。
著作権がある作品は、本人が許可しない限り、いかなる理由があっても使用できません。
注意点5:一部だけの使用もNG!
どこから広まったのか、4小節程度の音源使用なら著作権を侵害しない、という話をよく耳にします。ですが実際は、数秒であっても、著作権侵害の対象になります。
文章は著作者を明示の上引用できるため、音楽も一部を引用して良いのでは? という間違いが多いのですが、すべて違反行為になるため注意しましょう。
もしも著作権を侵害してしまったら?
万が一著作権を侵害してしまったら、悪気がなくても動画削除・アカウント停止の恐れがあります。
動画削除は、著作権を持つ著作者がYouTube側へ依頼するのが一般的です。
それ以外にも、AIによって削除されるケースがあります。
有名なアーティストであればあるほど、自分の音源が不当に使用されていないか、細かくチェックしています。動画編集の際は音源選びだけでなく、バックにテレビやゲームなどの音が入り込んでいないか、確かめておきましょう。
はじめて著作権を侵害してしまった場合は、事前警告の措置がとられます。
連絡があった場合は、YouTubeの著作権について学べる、コピーライトスクールを受講の上、警告を解除してもらいます。
受講しない場合は90日間待つと、警告の期限が切れます。
このように、1回目は手厚くサポートしてくれますが、2回目以降はそうはいきません。
著作権侵害が3回続いてしまった場合、
- アカウントと関連付けられている動画がすべて停止
- アカウントにアップされたすべての動画を削除
- 新しいチャンネルの作成禁止
という厳しい措置が待っています。
動画やアカウントが削除される可能性だけでなく、著作者から訴えられてしまうケースもあるため、細やかなチェックが必要です。
まとめ
YouTuberを目指すなら、著作権問題はかならず守るべき重要事項です。
著作権フリーの動画サイトを利用する場合も、使用条件をすみまでたしかめて、トラブルが起きないように配慮しましょう。
YouTubeの雰囲気に合った音楽は、配信の質を高めてくれる欠かせないスパイスです。
胸を張って堂々と使用できる音源を用意して、視聴者が喜ぶコンテンツを届けましょう。